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Rokid スマートAIグラスとは:カメラと単色ディスプレイを両方積んだ、約49gの「全部入り」AIグラス

Rokid スマートAIグラス(英語名: Rokid Glasses)は、2026年7月10日に日本で一般販売が始まったAIスマートグラスです。結論から言えば、この製品の存在意義は「カメラ」と「両眼ディスプレイ」を1本のメガネ型筐体に同居させ、そのうえで日本の技適を取得して家電量販店の店頭に並べたこと、ほぼこの一点に集約されます。

国内で買えるAIグラスは長らく、カメラは載っているが視界に文字は出ない「カメラ型」か、文字は出るがカメラがない「ディスプレイ型」かに分かれていました。Rokidは両方を約49g(公称)に収めています。両眼ディスプレイを備えるMeta Ray-Ban Displayは2026年8月時点で日本未発売なので、「撮れて、なおかつ視界に表示できる」AIグラスを国内の正規ルートで買う、という条件だけで選択肢は一気に絞られます。

価格は発売時の直販で109,990円(税込)。ただし2026年8月時点の公式ストア表示は109,890円(税込)で、100円の差があります。各ECの販売価格は変動するため、購入直前に必ず現在価格を確認してください。

一方で、これは万人向けの完成品ではありません。ディスプレイはグリーン単色でカラー表示ができず、バッテリーは210mAh、そして2027年4月以降は翻訳や文字起こしがポイント消費制に切り替わります。この記事では、長所と同じ分量で「買ってから気づく制約」を書きます。

AmazonでRokid スマートAIグラスを見る 楽天市場でRokid AIグラスを見る

価格と買える場所:109,990円と109,890円、どちらが正しいのか

発表時の報道(AV Watchほか)は直販価格109,990円(税込)としています。ところが2026年8月時点で公式オンラインストアを開くと109,890円(税込)と表示されており、100円ぶんの揺れがあります。どちらかが誤りというより、発表時価格と現在の販売価格の差と理解するのが正確です。購入直前に公式ストアと各ECの現在価格を確認してください。

もう一つ、公式ストアは「126,280円 → 109,890円」という打ち消し表示を使っています。これはカプセル充電器を同梱したバンドル構成との比較であり、126,280円を本体の定価と読むと誤解します。本体単体の水準はあくまで11万円弱です。

発売記念として2026年7月10日から8月16日までは、通常16,390円のカプセル充電器が無料で同梱されます。この記事の公開時点では期限が目前なので、狙うなら日付を確認してください。付属品を増やしたフルセットは139,260円、別売のポータブル充電ケースは3,000mAh仕様です。

販路:リリースが明記しているのはどこまでか

PR Timesのリリースが実際に挙げているのは、Rokid公式オンラインストア、Amazon、楽天市場などの主要ECサイトと、ビックカメラ・ヨドバシカメラ・エディオンをはじめとする全国75店舗(「約」は付かず75店舗)です。これに加えて、Yahoo!ショッピング(SoftBank SELECTION公式ストア経由)やSoftBank SELECTION、ヤマダ電機での取り扱いも確認できますが、こちらの根拠はリリースではなくMoguLiveの予約記事とYahoo!の店舗ページになります。

体験ポップアップ「Rokid Japan Tour」が東京・横浜・大阪・名古屋・福岡で開催されています。10万円を超える買い物で、しかも後述するとおりディスプレイの見え方と装着感が評価を大きく左右する製品です。近くで開催されているなら、一度かけてから決めるのが賢明です。保証は1年間の限定保証、30日間の返品対応、国内送料無料とされています。

スペック早見表

項目内容
正式製品名Rokid スマートAIグラス(英語名 Rokid Glasses)
型式(技適登録)RV101/RV102/RV203
発売日2026年7月10日(予約開始は6月17日)
価格発売時直販109,990円(税込)/2026年8月時点の公式ストア表示109,890円(税込)/フルセット139,260円
重量約49g
カメラ1,200万画素 Sony IMX681、F2.25、109°広角、静止画3024×4032
動画最大3K/30fps(縦9:16)、縦横両対応(デフォルト縦)、連続録画は最大10分固定
ディスプレイ両眼グリーン単色Micro-LED+回折光導波路、640×480、最大1,500ニト、焦点約5m先、輝度15段階手動調整
視野角約30°(公式ページに記載なし。レビュー媒体の値)
チップセットQualcomm Snapdragon AR1 Gen 1+NXP RT600のデュアル構成
メモリ/ストレージRAM 2GB/ROM 32GB
AIアシスタントウェイクワード「Hi Rokid」、GPT系とGeminiに対応、日本語音声は男性/女性を選択可
翻訳オンライン89言語以上/オフライン主要6言語(日本語・英語・中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語)
バッテリー210mAh、約20分で80%充電、マグネット式専用ケーブル(USB-Cケーブルは別途)
接続専用アプリ「Hi Rokid」(Android 10以降/iOS 16.0以降)とBluetooth連携。Wi-Fi 6/Bluetooth 5.3(レビュー媒体値)
技適取得済み。認証番号R020-250189(認証取得者 Hangzhou Lingban Technology、型式RV101/RV102/RV203、認証日2025年9月17日)
カラー/サイズ1カラー(黒)・1サイズのみ
保証1年間限定保証、30日間返品対応(度付きレンズは返品不可)

※すべてメーカー公称値です。編集部による実機計測は行っていません。価格は2026年8月時点のものです。表中で「レビュー媒体値」と注記した視野角・無線規格の2項目のみ、出典が公式ページ以外である点にご注意ください。

競合カテゴリとの位置づけ

項目Rokid スマートAIグラスカメラなし・ディスプレイ型(Even G2など)ディスプレイなし・カメラ搭載型
カメラ1,200万画素 Sony IMX681/最大3K30fps非搭載搭載
情報表示ディスプレイ両眼グリーン単色Micro-LED 640×480/最大1,500ニト搭載非搭載
撮影と表示の同時運用可能不可(撮影機能がない)不可(表示機能がない)
本記事で確認できた日本での一般販売2026年7月10日開始本記事では未確認本記事では未確認

※すべてメーカー公称値です。編集部による実機計測は行っていません。競合欄はカテゴリの構成上の違いを示すもので、個別機種の詳細スペックは本記事では検証していません。ディスプレイ型同士の細かな違いはRokidとEven G2を比較した記事で扱っています。

Rokidが日本市場に10億円を投資すると表明している点も、この位置取りと無関係ではありません。AIグラス向けOS「AIOS」と開発者向けの「Agent Store」でプラットフォーム化を狙っており、第1弾エージェントはペット向けの「PettiChat」です。ハード単体ではなく、後から機能が増える前提の製品として見るべきでしょう。国内クラウドファンディングのMakuakeでは応援購入総額6億円超で歴代1位を記録しており、日本での関心の高さは数字にも出ています。

ディスプレイ:グリーン単色640×480が実際に意味すること

両眼グリーン単色Micro-LEDに回折光導波路を組み合わせた方式で、焦点は約5m先に結ばれます。手元ではなく少し先に像が置かれるため、視線を大きく動かさずに文字を読める設計です。最大1,500ニトは屋外でも文字が飛びにくい水準ですが、輝度調整は15段階の手動のみで自動調整がありません。屋外では輝度10以上が必要という報告があり、屋内と屋外を行き来する使い方では、そのつど手で調整することになります。

そしてカラー表示はできません。地図も、撮影プレビューも、通知も、すべて緑の線と文字です。白い背景に対しては特に読みにくくなります。視野角は約30°とされますが、これは公式ページに記載がなくレビュー媒体の値であることを付記しておきます。

要するにこれは「スマホの画面を空中に持ってくる」装置ではなく、「短いテキストを視界の端に置く」装置です。翻訳字幕、原稿、通知の一行を読む用途に最適化されている、と理解するのが正確な期待値です。動画視聴や大画面体験を求める人は、そもそもカテゴリが違います。

カメラ:撮れることの価値と、画質の現実

1,200万画素のSony IMX681センサー、F2.25、109°の広角。静止画は3024×4032、動画は最大3K/30fpsでデフォルトは縦9:16、縦横どちらでも撮れます。ハンズフリーで一人称視点を残せるのは、スマホでは代替しにくい価値です。

ただし制約は明確です。連続録画は最大10分で固定されており、長回しはできません。画質もスマホ以下で、とくに夜間はノイズが目立つ、というのが実機レビューの評価です。旅行や作業記録のメモとしては十分でも、作品づくりの主力機材にはなりません。

周囲への配慮という点では、撮影中はテンプルのLEDが点灯する仕組みがあります。一方でITmediaは、会議メモ(音声録音)機能では記録ランプが点灯せず、周囲から無断録音と誤解されうると指摘しています。これは製品の欠点というより運用上の注意点です。録音を始めるときは一言断る、それだけで防げるトラブルなので、習慣にしてください。

AI・翻訳・テレプロンプター:ここが実用の中心

AIアシスタント

ウェイクワード「Hi Rokid」で起動します。対応AIモデルはGPT系とGeminiで、日本語音声は男性・女性を選択可能。AI検索、視界のものを対象にしたビジュアル検索、ニュースや天気の読み上げなどに対応します。

翻訳

オンラインでは89言語以上のリアルタイム翻訳に対応。オフラインでも日本語・英語・中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語の主要6言語が使えます(オフライン用はRokid自社のLLMとされています)。機内や通信環境の悪い場所でも主要言語が動くのは、旅行や出張では地味に効きます。

テレプロンプター

原稿を表示し、いま発話している箇所をハイライトしながら自動スクロールする機能が搭載されています。ITmediaの小寺信良氏のレビューでも動作が確認されています。登壇、動画撮影、接客の台本読みなど、手元にカンペを持てない場面で強い機能です。しかもこの機能は後述するポイント制の対象外で、無料のまま使えます。

AI議事録・字幕・ナビゲーション

音声を文字起こしするAI議事録、聞き取った言語をそのまま文字として視界に出す字幕機能があります。小寺氏はこの字幕機能を、聴覚障害のある人の会話補助として高く評価しています。翻訳より先に、まずこの用途で価値を感じる人もいるはずです。

ナビゲーションは公式表記が「Googleナビゲーション」で、ITmediaのレビューは表示内容を「簡単な地図と音声ガイダンス」と表現しています。スマホの地図アプリを置き換えるものではなく、あくまで補助と考えてください。AIグラス全体の機能比較は2026年のAIスマートグラス比較記事にまとめています。

バッテリー:210mAhという厳しい現実

本体バッテリーは210mAh。急速充電に対応し約20分で80%まで回復します。実機レビューでの持ち時間は、待機で約6〜8時間、ディスプレイ常時オンで約5〜6時間、オンライン翻訳の連続使用で約3.5時間、動画録画では約42分で電池切れという結果でした。

充電はマグネット式の専用ケーブルを使いますが、USB-Cケーブルは別途必要です。さらに付属ケースには充電機能がありません。つまり外で1日使い切る運用をするなら、カプセル充電器(通常16,390円)か別売のポータブル充電ケース(3,000mAh)が事実上の必需品になります。発売記念期間中にカプセル充電器が無料同梱される意味は、ここにあります。

2027年4月から始まるランニングコスト

購入前にもっとも見落とされやすいのがここです。2027年3月31日までは全機能が無料。2027年4月以降はポイント制に移行します。

内訳は、毎月100ポイントの無料付与、月額サブスクリプション1,500円で1,000ポイント(月末失効)、追加購入は700ポイントが1,500円、4,500ポイントが7,500円(1年有効)。消費はオンライン翻訳が1分5ポイント、AI文字起こしが1分3ポイント、ナビゲーションが1回30ポイントです。

無料の100ポイントで賄えるのは、オンライン翻訳なら月20分、文字起こしなら月33分、ナビなら月3回。仕事で毎日翻訳を回すなら、月1,500円は実質的な固定費と見るべきです。3年使えば本体価格に5万円強が上乗せされる計算になります。

逆に、AI音声Q&A、オフライン翻訳、テレプロンプター、撮影は無料のままです。オフラインの6言語で足りる人、テレプロンプター目当ての人、撮影が主目的の人は、ポイントをほとんど消費しません。自分の使い方がどちらに寄るかを、購入前に一度シミュレーションしておく価値があります。

度付きレンズと装着まわりの注意

近視の人は標準レンズのままだとディスプレイ表示がぼやけます。度付きレンズかコンタクトレンズが必須です。度付きの選択肢は2つ。公式オンライン(PrimeParticle提携)なら単焦点1.60が加工込み15,190円(税込)から。提携店舗(JUN GINZA、れんず屋、アイジャパン)なら専用フレーム6,490円に店舗ごとのレンズ代が加算されます(例として単焦点1.6が19,800円から)。

重要なのは、度付きレンズが返品不可という点です。30日間返品対応があるとはいえ、度を入れた瞬間にその安全網からは外れます。だからこそ、Japan Tourや量販店の店頭で見え方を確認してから度付きに進む順番が理想的です。

本体は1サイズ・1カラー(黒)のみ。顔の大きさに対する合う合わないは、実物で確認するしかありません。調光機能はないのでサングラス代わりにはならず、音は音量5を超えると音漏れが発生するという報告があり、低音も弱いとされています。音楽鑑賞用途に期待するのはやめておきましょう。

技適と正規品の確認

技適は取得済みで、技適マークと認証番号R020-250189がフレームと外箱に表示され、総務省のデータベースでも照合が確認されています(認証取得者はHangzhou Lingban Technology、型式はRV101/RV102/RV203、認証日は2025年9月17日)。日本正規総代理店はフューチャーモデル株式会社です。この種の製品は海外版が並行輸入で流れやすいので、購入時は販売元と技適表示を必ず確認してください。

こんな人には向かない

  • カラー表示や動画視聴を期待している人。表示は緑単色の文字と線のみです
  • バッテリーを気にせず1日中使いたい人。翻訳連続で約3.5時間、録画は約42分です
  • 音楽やコンテンツ視聴の音質を求める人。音漏れと低音の弱さが指摘されています
  • スマホを持ち歩かない人、OSが古い人。Android 10以降/iOS 16.0以降のアプリ連携が前提で、未接続時は機能が大幅に制限されます
  • 2027年4月以降のポイント制を許容できない人。翻訳中心の使い方なら月1,500円が実質固定費です
  • サングラス代わりにしたい人。調光機能はありません

こんな人には刺さる

  • 登壇・配信・接客で台本を読む人。テレプロンプターは無料枠で使え、この用途だけで元が取れる可能性があります
  • 海外出張やインバウンド接客が多い人。オフライン6言語が通信環境に左右されずに動きます
  • 会議の記録を手を止めずに残したい人。AI議事録が音声を文字起こしします
  • 聴覚のサポートを必要とする人。字幕機能は実用面で高く評価されています
  • 作業や旅行を一人称視点で気軽に残したい人。画質は割り切りが必要ですが、ハンズフリーの価値は代替が効きません

まとめ:制約を理解した人にとっては、いま国内で唯一に近い選択肢

Rokid スマートAIグラスは、カメラと両眼ディスプレイを約49gに詰め込み、技適を通して国内の正規流通に乗せた製品です。グリーン単色ディスプレイ、210mAhのバッテリー、2027年4月からのポイント制という3つの制約を受け入れられるなら、テレプロンプター・翻訳・議事録・字幕という実用機能の密度は2026年8月時点で頭ひとつ抜けています。

逆に言えば、この3点のどれかが許容できない人は買ってはいけません。10万円強の買い物です。Japan Tourや量販店の店頭で、緑の文字がどう見えるかを自分の目で確かめてから判断してください。他のカテゴリも含めた選択肢はAR/スマートグラスのランキング記事も参考になります。

AmazonでRokid スマートAIグラスを見る 楽天市場でRokid AIグラスを見る

出典