2026年7月15日に発売されたJackery SlimPower H1(厚さ67mmの薄型・1024Wh)と、1000Wh級の定番Anker SOLIX C1000(A1761・1056Wh)。発売時点の公式価格は税込119,800円と119,900円でほぼ同額ですが、中身は**「薄型・UPS特化の据え置き機」vs「高出力・多ポートのオールラウンダー」**とキャラクターが正反対です。
この記事では両機を容量・出力・ポート・UPS・充電・拡張性・設置性で比較し、どちらがどんな人に向くかを整理します。**掲載値はすべて各社日本公式の公称値で、編集部による実機計測は行っていません。**公式で確認しきれなかった項目は「公式要確認」と正直に表記します。
結論:価格が同じでも「別ジャンルの製品」
- 家に常設して停電に備える(UPS用途)・置き場所と見た目重視 → Jackery SlimPower H1。厚さ67mmで冷蔵庫横やテレビ裏のすき間に収まり、約0.01秒UPS+6000サイクル長寿命で「挿しっぱなし運用」に最適化。ただし定格800W・AC1口の割り切り仕様。
- 高W家電も動かす・アウトドア兼用・多ポート → Anker SOLIX C1000。定格1500Wで電子レンジ級もカバーし、AC×6を含む計11ポート、本体だけでソーラー入力600W対応、超急速なら約58分で満充電。ただし通常の箱型で約12.9kg・置き場所は取る。
「何を動かしたいか」を先に決めれば、迷わず選べる組み合わせです。電子レンジ・ドライヤーを1台でカバーしたいなら、この時点でC1000一択になります。
スペック比較表(日本仕様・公称値)
| 項目 | Jackery SlimPower H1 | Anker SOLIX C1000(A1761) |
|---|---|---|
| 発売 | 2026年7月15日 | 発売済み(2023年〜) |
| 容量 | 1024Wh | 1056Wh |
| AC定格出力 | 800W(瞬間最大1600W) | 1500W(瞬間2000W/SurgePad) |
| 電池 | リン酸鉄 | リン酸鉄 |
| サイクル寿命(公称) | 約6000回(容量70%維持) | 3000回以上 |
| UPS切替(公称) | 約0.01秒(パススルー対応) | 約20ms(パススルー対応) |
| サイズ | 約600×325×67mm | 376×205×267mm |
| 重量 | 約10.5kg | 約12.9kg |
| AC充電 | 約1.5時間(最大850W入力) | 超急速 約58分(通常 約90分) |
| ソーラー入力 | 別売DC入力モジュール経由(上限は公式要確認) | 本体で最大600W |
| ポート | AC×1+拡張用DC端子(USBは公式要確認) | 計11口(AC×6/USB-C×2=100W+30W/USB-A×2/シガー×1) |
| 拡張バッテリー | 対応(+1024Wh→最大2048Wh) | 対応(BP1000→最大2112Wh) |
| 設置 | 横置き・縦置き・壁掛け(ブラケット別売) | 据え置き(箱型) |
| 動作音(公称) | 40dB未満 | 記載なし(公式要確認) |
| アプリ | 対応 | 対応(Bluetooth/Wi-Fi) |
| 公式価格(発表時・税込) | 119,800円 | 119,900円 |
| 保証 | 基本3年+延長2年(条件は公式要確認) | 会員登録で最長5年 |
出典:Jackery Japanプレスリリース・公式サイト、Anker Japan公式サイト(A1761製品ページ)。すべて日本仕様の公称値です。同名モデルでも海外仕様は出力等が異なるため、必ず日本公式の数値でご確認ください。価格はセール等で変動します。
5つの視点で比較
1. 出力——動かせる家電の範囲が全く違う(最重要)
最大の違いはAC定格出力です。SlimPower H1は800W、SOLIX C1000は1500W。この差は「動かせる家電のリスト」の差になります。
- 両方OK:冷蔵庫、ルーター・NAS、PC、テレビ、照明、扇風機、水槽まわり、CPAP等(いずれも800W以下の場合)
- C1000のみOK:電子レンジ(1000W級)、ドライヤー(1200W級)、電気ケトル(1250W級)、ホットプレートなど
停電時に「温かい食事や飲み物を作れるか」が分かれ目です。防災の主役を1台に任せたいならC1000の1500Wが安心。一方、H1は最初から「800W以下の重要機器を止めないこと」に特化した設計で、電子レンジを動かす気がないなら過不足ありません。
2. 設置性——「すき間に常設」できるのはH1だけ
SlimPower H1の厚さは67mm。冷蔵庫と壁の間、テレビボード裏、ソファ下などのデッドスペースに差し込め、壁掛け(別売ブラケット1,999円)にも対応します。ディスプレイは設置向きに合わせて自動回転。パールホワイトの外観も生活空間向けです。
C1000は376×205×267mmの一般的な箱型で、常設すると相応の存在感があります。「防災用に買ったが、しまい込んで充電切れ」を防ぐには、常時コンセントに挿して見えない場所に置けるH1の形状が効きます。逆に持ち出して使うなら、ハンドル付き箱型のC1000のほうが扱いやすい形です。
3. UPS・寿命——「挿しっぱなし運用」への最適化はH1
どちらもパススルー対応で停電時に自動切り替えできますが、公称値ではH1が約0.01秒(10ms)、C1000が約20ms。またサイクル寿命はH1が約6000回(70%維持)、C1000が3000回以上と、H1は常時充放電を繰り返すUPS運用を強く意識した数値です(いずれも公称値・実測ではありません)。
とはいえC1000の20ms・3000回以上も、家庭のUPS的用途には実用十分な水準です。差が効くのは「10年単位で挿しっぱなしにする」「瞬断にシビアな機器を守る」ケースと考えてください。
4. ポートと充電——多台数同時給電・急速充電はC1000
C1000はAC×6、USB-C×2(100W/30W)、USB-A×2、シガーソケット×1の計11口。スマホ・PC・カメラ・ポータブル冷蔵庫を同時に挿す使い方が1台で完結し、USB-C 100WでノートPCも直接充電できます。充電も超急速モードで約58分と速い。
H1はAC×1+拡張用DC端子という思い切った構成です(USBポートの有無は公式要確認)。「冷蔵庫1台」「PCまわり一式(タップ経由・合計800W以下)」を守る用途なら1口で足りますが、ガジェットの充電ハブとして使いたい人には不向きです。AC充電約1.5時間は十分速い部類です。
5. ソーラー・拡張——オフグリッド志向ならC1000
ソーラー充電はC1000が本体だけで最大600W入力に対応するのに対し、H1は別売DC入力モジュール(11,999円)が前提で、入力上限は公式要確認です。ベランダ発電や車中泊での継ぎ足し充電を考えているならC1000が確実です。
容量拡張はどちらも対応(H1:最大2048Wh/C1000:BP1000で最大2112Wh)でほぼ互角。なおAnkerは軽量な後継**C1000 Gen 2(A1763)**もありますが、Gen 2は拡張バッテリー非対応とされているため、拡張前提なら本記事のA1761を選んでください。
正直な注意点
- **本記事の数値はすべてメーカー公称値(日本仕様)で、編集部の実機計測は行っていません。**実際の給電時間はAC変換ロス等で公称容量より短くなります。
- SlimPower H1は発売当日の新製品で、実機レビューがまだほとんどありません。静音性・発熱・アプリの完成度などの実使用評価は今後の情報をお待ちください。
- 「公式要確認」の項目(H1のUSBポート有無・ソーラー入力上限・保証延長条件、C1000の動作音)は、編集部が一次の公式仕様で確定しきれなかった正直な表明です。購入前に公式ページでご確認ください。
- **同名モデルの世代違いに注意。**Anker C1000には原C1000(A1761)/Gen 2(A1763)/Plus(A1765)があり、拡張対応や出力が異なります。型番までご確認を。
- **価格は変動します。**発表時の公式価格を参考として記載しましたが、セール・クーポンで実売は大きく上下します。
まとめ:迷ったらこの2問
- 電子レンジ・ドライヤー級(1000W超)を動かしたいか? → はい=SOLIX C1000(定格1500W)/いいえ=次へ
- 持ち出して使うか、家に常設するか? → 持ち出す・多ポートが欲しい=C1000/常設して停電に備える・置き場所と見た目重視=SlimPower H1
同価格でもコンセプトが正反対の2台です。「防災の主役を1台」ならC1000、「生活に溶け込む常設UPS」ならH1、と用途で選べば後悔しにくいはずです。
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