スマホの写真が容量いっぱいで、クラウドの月額を払い続けるのもなんとなく嫌だ。家族の写真をまとめて置いておける場所がほしい。そう思って「NAS」を調べると、UGREENの2ベイ機に3万円のDH2300と5.4万円のDXP2800があり、どちらを買えばいいのか止まります。この記事は公式ページの仕様だけを根拠に、差額2.4万円で何が変わるかを整理します。
結論を先に。写真のバックアップと家族共有ならDH2300で足りる
UGREEN公式ストアはDH2300を「1〜3人の家庭や個人利用に」「初めてのNASは、この安心とコスパで」と位置づけています。スマホ写真の自動バックアップ、家族での共有、テレビにつないで4K動画を再生するまでは、DH2300の範囲です。
DXP2800が必要になるのは、Dockerで自分のアプリを動かしたい、仮想マシンを立てたい、2.5GbEの有線環境で大きな動画ファイルを頻繁に出し入れしたい、将来メモリを増やしたい、という場合です。公式ページでDH2300は「Dockerおよび仮想マシンに対応していません」と明記されており、ここは後から買い足しても埋まりません。
公式仕様で比べる。差額2.4万円の中身
両機種とも2ベイ、HDDは別売り、OSは同じUGOS Proです。違いは中身にあります。
| 項目 | NASync DH2300 | NASync DXP2800 |
|---|---|---|
| 公式ストア価格(税込) | ¥29,590 | ¥53,890 |
| CPU | Rockchip A72+A53 8コア(Arm) | Intel N100 4コア4スレッド(x86) |
| メモリ | 4GB LPDDR4X、拡張不可 | 8GB DDR5、最大16GB |
| システム用ストレージ | 32GB eMMC | 32GB eMMC |
| ドライブベイ | SATA×2(3.5/2.5インチ) | SATA×2 |
| M.2 NVMeスロット | なし | 2基 |
| 最大容量(公称) | 64TB(32TB×2) | 80TB(32TB×2+8TB SSD×2) |
| LAN | 1GbE×1 | 2.5GbE×1(最大312.5MB/s) |
| HDMI | 4K 60Hz×1 | 4K出力×1 |
| USB | 前面USB-C 3.2 Gen1×1、背面USB-A 3.2 Gen1×2 | USB-C 10Gbps×1、前面USB-A 10Gbps×1、背面USB-A 5Gbps×2 |
| Docker/仮想マシン | 非対応(公式明記) | 対応 |
| RAID | JBOD/Basic/RAID 0/RAID 1 | JBOD/Basic/RAID 0/RAID 1 |
| 消費電力(公称) | 約13.7W(アクセス時)/約3.3W(休止) | 16.38W(動作時)/5.24W(アイドル) |
| 保証 | 2年 | 2年 |
| HDD付属 | なし | なし |
保証は公式ストアの各商品ページでどちらも「2年」でした。上位のDXP8800 Plusでは3年表記がありますが、この2機種は同じです。保証年数では差がつきません。
CPUとメモリ。「何ができるか」の境界線
DH2300のArm系CPUと4GB固定メモリは、写真の自動分類や4K再生といった公式が挙げる用途には足りる設計です。一方DXP2800はIntel N100(x86)で、公式ページは「Docker・仮想マシンに対応」「メモリ増設で複数ユーザー同時アクセス時のレスポンス改善、動画トランスコードなどメモリを多用する処理の高速化」を挙げています。DH2300の公式ページにはトランスコードの記述はありません。スマホやテレビで見るだけなら気にしなくてよい差ですが、外出先から大きな動画を変換しながら配信したいなら、DXP2800側の話になります。
LAN速度とM.2スロット。有線環境で効く差
DH2300は1GbE、DXP2800は2.5GbEです。理論上の転送速度は2.5倍ですが、家庭のルーターやPC側が1GbEなら1GbEで頭打ちになります。Wi-Fiでスマホから写真を上げる使い方では、どちらでも体感差は出にくいでしょう。DXP2800のM.2 NVMeスロット2基はSSDをキャッシュや高速領域として使えるもので、動画編集素材をNASに置いて直接編集するような人向けです。
クラウド月額とNASの初期費用。回収のイメージ
2026年8月時点の各公式サイトの価格です。
| サービス | 月額 | 年額換算 |
|---|---|---|
| iCloud+ 2TB | 1,800円 | 21,600円 |
| Google One 2TB(Google AI Plus) | 1,450円 | 17,400円(年払いは最大16%割引と表示) |
DH2300本体¥29,590だけを見れば、iCloud+ 2TBなら約1年5か月、Google Oneなら約1年9か月で本体代と並びます。HDD代は別なので、HDD込みでは数年単位の回収です。節約だけを目的にすると電気代や手間で期待とずれるので、「自分のデータを手元に置ける」「家族全員分をまとめられる」価値と合わせて判断してください。
AmazonでUGREEN NASync DH2300を見る
楽天市場で「UGREEN NASync DH2300」を見る
UGREEN NAS公式ストアでDH2300を見る(2年保証・UPSセットあり)
RAID1(ミラー)はバックアップではない
2ベイNASを買うと、ほとんどの人がRAID1を選びます。2台のHDDに同じ内容を書き込み、1台が壊れてももう1台で動き続ける仕組みです。容量は2台分ではなく1台分になります(4TB×2なら使えるのは4TB)。
ここで誤解が多いのですが、RAID1は「HDDの故障で止まらないための機能」であって、バックアップではありません。間違えて消したファイルは両方から同時に消え、ランサムウェアに暗号化されれば両方が暗号化され、落雷や火災、盗難で本体ごと失えば2台とも失います。写真の「最後の砦」にするなら、NASとは別の場所、たとえば外付けHDDやクラウドにもう1部を置く構成が基本です。
停電対策。UPSセット(US2000)の意味
NASは書き込み中に電源が落ちるとファイルシステムが壊れることがあります。UPS(無停電電源装置)は停電時に数分間バッテリーで給電し、その間に安全に終了させる装置です。
UGREEN公式ストアにはDH2300とUPSのセットがあり、US2000(72W・6000mAh)付きで¥37,150、US3000(120W・12000mAh)付きで¥39,640です。単品だとUS2000 ¥11,880、US3000 ¥14,880なので、セットの方が数千円安い計算になります。DH2300の公称消費電力は約13.7Wで、US2000の72Wに対して十分余裕があります。DXP2800のUPSセットも同様に用意されています。雷が多い地域、家族の共有データを置く、外出先からのアクセスが多い、という人はセットで買う方が後から足すより楽です。
DXP2800が向く人。そしてDXP2800 GTという選択肢
DXP2800を選ぶ理由は3つに絞れます。Dockerや仮想マシンで自分のサービスを動かしたい。2.5GbEの有線環境があり、大きなファイルを頻繁に出し入れする。メモリを後から16GBに増やして長く使いたい。どれか1つでも当てはまるなら、差額2.4万円は後悔しにくい投資です。
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UGREEN NAS公式ストアでDXP2800を見る(2年保証・UPSセットあり)
さらに上に、2026年新発売のDXP2800 GT(¥69,880)があります。公式ページではAMD Ryzen Embedded R2514(4コア8スレッド)、メモリ8GB DDR4で最大64GBまで増設可、LANは10GbE×1、M.2 NVMe×2、保証2年です。10GbEの配線とスイッチを持っている人向けで、初めてのNASで選ぶ機種ではありません。DXP2800とDXP2800 GTの差額1.6万円は、ほぼ10GbEとメモリ上限の対価と考えてください。
4ベイ以上も含めた全体像は、UGREEN NASync全機種の選び方で整理しています。
UGREEN NAS公式ストアでDXP2800 GTを見る(10GbE・最大64GBメモリ)
こんな人にはこれ
DH2300で足りる人。 スマホ写真の自動バックアップと家族共有が目的。テレビにHDMIでつないで動画を見たい。同時に使うのは1〜3人。Dockerという言葉にピンとこない。初期費用を3万円に抑えて、HDDに予算を回したい。
DXP2800にすべき人。 Dockerや仮想マシンを動かす予定がある、または後でやりたくなりそう。PCとルーターが2.5GbE対応で、動画素材などの大容量ファイルを有線でやり取りする。メモリを増設して5年以上使う前提。
DXP2800 GTを見る人。 10GbE環境がすでにある。メモリを64GBまで積む用途がある。価格¥69,880が許容できる。
どれを選んでもHDDは別売りです。RAID1で使うなら同容量を2台、加えてNASの外にもう1部のバックアップ先を確保してください。
まとめ
DH2300(¥29,590)とDXP2800(¥53,890)の差額2.4万円は、CPUの系統(Arm対x86)、メモリ(4GB固定対8GB・最大16GB)、LAN(1GbE対2.5GbE)、M.2スロット(0基対2基)、Docker/仮想マシン対応の有無に使われています。保証は両方2年、HDMI 4K出力もRAID1も両方にあります。写真のバックアップと家族共有ならDH2300で足り、Dockerや有線の高速転送を使うならDXP2800です。
クラウド2TBは2026年8月時点でiCloud+が年21,600円、Google Oneが年17,400円。NAS本体だけなら1年半から2年で並びますが、HDD代と「RAID1はバックアップではない」前提を忘れず、NASの外にもう1部を置く構成で始めてください。出典はUGREEN NAS公式ストア(ai.ugreen.jp)の各商品ページ、Apple公式iCloud+ページ、Google One公式プランページです。購入前に最新価格をご確認ください。